LIFE ACADEMIC

ESSAY

私にとってポケモンとは?

 2018年8月10日、私は横浜みなとみらいで開催されているポケモンイベント「ピカチュウ大量発生中」に参加してきた。実はこのイベント、毎年横浜で開催しており、今年は1500匹以上のピカチュウと進化ポケモン・イーブイも発生した。そして夜になると、今度はデジタルテクノロジーを駆使してポケモンを現実世界に投影させるなど、まさに見所満載なイベントであった。

ピカチュウの大行進
ピカチュウたちの 船上グリーティング
ずぶぬれ スプラッシュショー

     すでにご存知の方が多いかもしれないが、ポケモンとは任天堂が1996年に発売したゲームソフトで、その累計出荷数は3億本を突破し、その世界累計市場規模は6兆円以上と試算されている(注1)。

    そんなポケモンは、今や日本を代表する一大コンテンツであると言えるだろうが、私もポケモンは初代の頃からのファンであり、今なお最新ソフトがリリースされる度に欠かさず購入している程熱中している。

    しかし、今回のポケモンイベントに参加してみて私はふと「どうして自分はここまでポケモンが好きなのだろうか」と疑問に思ったのだが、実はこの疑問、よく考えてみると私にとって非常に重要な問いかけである。それというのも、私は極度の飽き性で、昔から現在に至るまで継続し続けている趣味がポケモン以外に皆無だからだ。

    よって、今回「私にとってポケモンとは?」というテーマで書き下ろしてみた次第なのだが、単純になぜポケモンにはまったかという理由については、比較的簡単に説明がつきそうだ。

1. 通信ケーブルでの交換や対戦

( バトルしようぜ!の一言で友情が芽生える )


2. バグ技の開発

( ミュウを釣ったり、レベル100ポケにしたり、ケツバンを出現させたりだとか )

3. ポケモンの姿と進化(サナギラス → バンギラス)

( 初期の頃は、進化後の姿がわからず、いつもわくわくしたものだ )

    こうした理由の中には、ゲームというコンテンツが日進月歩移り変わる時代の中で、失われてしまった楽しみも勿論あるが(通信ケーブル・バグ技の開発とか)、それでもポケモンをプレイしていて面白いと思う根本の楽しさ(バトル・キャラクター・通信交換など)は現在も失われておらず、それは私をポケモンの世界に引き込むのに十二分な理由となっている。

    だが、先ほども述べたように、これらの要素はあくまでポケモンにはまったきっかけであり、飽き性の私がここまでポケモンを続けている理由にはならないだろう。

    そう考えると、私にとってポケモンは何らかの特別な意味を持ち得ているような気がするのだが、それでは一体私にとってポケモンとは何だろうか?

    少し大袈裟かもしれないが、「ポケモンは、そのゲーム作品自体の成長が、自分自身の人生の遍歴と重なるからだ」と考えてみた所、これが何とも腑に落ちる。

    私が物心ついたときにポケモンは登場した。当時、その画面は白黒で、キャラクターもドット絵で荒かった。それはそれで非常に愛着がわくのだが、小学校進学とともにカラー絵が導入され、一気にキャラクターが鮮明になった。外見だけでなく、ポケモンに個性や性格といった要素が追加されるのは高学年に進級した頃である。中学に上がる頃には、モーションが追加され、更にポケモンたちがいきいきと動き始めた。そして大学進学する頃には、画像が立体化し、今そこでポケモンとふれあい、戦っているような息遣いを感じるまでになったのである。

    このように、ポケモンはそれ自身の持つ作品の魅力に加え、作品としての成長が私自身の人生の歩みと重なってくる。そのため、ポケモンは自分の人生を振り返る上での重要な手がかりであり、なにより人生を同じように辿ってきたパートナーのように愛着を感じているのである。語弊を恐れずに言えば、ゲーム内では主人公にとってポケモンがパートナー、しかし私にとってはポケモンというゲーム作品自体がパートナーの一人になっていたということだ。

    したがって、ポケモンなしに、私の人生は語ることはできない、今回のイベントを振り返って改めてそう感じたのだった。みなさんにも、名前を聞くと自然と心がわくわくするような、特別な愛着を感じる作品があるのではないだろうか。

『ポケットモンスター Let’s Go! – Switch』 2018年11月16日発売予定

 あとがき

    今回記事を書く上で、私がポケモンにはまった理由をいくつか挙げましたが、これについては「ぬにっちさん」が非常に面白い考察をしているので、もし興味があれば読んでみるのをお勧めします。ワタルのチート(レベルが低い進化ポケモンの謎)についての解説も面白です。

    どうしてボクらはポケモンにハマったのか? 初代ならではの自由な楽しみ方

    ワタルは本当にチート使いなのか?

注1-    ポケモンゲームソフト累計出荷数と市場規模については株式会社ポケモンHP参照
    株式会社ポケモン -事業紹介-