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奇跡の村 地方は「人」で再生する
少子高齢化と人口減少により「地方消滅」が叫ばれて久しい。そんな中、長野県下伊那郡下條村は、全国の自治体関係者から「奇跡の村」と呼ばれている。少子化対策に目覚ましい成果をあげてきたからだ。「陸の孤島」と揶揄される人口約四〇〇〇人の山村が、一九九八〜二〇〇二年の五年間平均出生率で長野県トップを記録。現在でも、全国平均一・四三人を上回る一・八八人(二〇一三年)と、トップクラスの高い出生率を誇る。その秘密はどこにあるのか?この下條村を中心に、独自の移住促進策で「消滅論」に抗う各地の山村を取材。この先の社会に光を点す、希望のルポルタージュである。(著者:相川 俊英)
国立社会保障・人口問題研究所の予測によると、日本の総人口と少子高齢化率は2050年に約9500万人、そして65歳以上の高齢者の割合は何と40%を超えると予測されている。そして、その余波は各都市や地方自治体に大きな負担となってのし掛かるが、そんな中でも少子高齢化と逆行して目覚ましい成果を上げている自治体もある。
その一例として、本書では長野県下伊那郡下條村を紹介しているが、下條村は全国平均1.43人を上回る1.88(2013年)の合計特殊出生率を誇る。その理由の裏には、公共事業を村民自ら行い、その浮かせたお金を使って子育て支援、アパート設立などを行うといった取り組みがある。具体的には、土木工事、下水道整備などで必要な資材を業者が自治体に渡し、村民は専門家の指導の本、その資材を使って工事を行うといった具合だ。
本書は、そんな”奇跡の村”と呼ばれる自治体の取り組みと軌跡を描いた本となる。地域活性化や人口減少に興味のある方は、是非読んでみてはどうだろうか。