LIFE ACADEMIC

NOVEL

天地明察

徳川四代将軍家綱の治世、ある「プロジェクト」が立ちあがる。即ち、日本独自の暦を作り上げること。当時使われていた暦・宣明暦は正確さを失い、ずれが生じ始めていた。改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門に生まれた春海は己の境遇に飽き、算術に生き甲斐を見出していた。彼と「天」との壮絶な勝負が今、幕開く――。日本文化を変えた大計画をみずみずしくも重厚に描いた傑作時代小説。第7回本屋大賞受賞作。(著者:冲方丁)

 
 時は17世紀、当時日本で使われていた暦・宣明暦が正確性を失い初め、幕府は国家の威信にかけて新たな暦を作り出す必要に迫られていた。その担当者として選ばれたのが、本作の主人公・渋川春海である。本書は、渋川が新たな暦である”貞享暦”を作り出すまでの軌跡を描いているが、その過程は常に失敗と苦悩を重ねる日々である。しかし、そんな状況下でも、決して諦めずに貞享暦を完成させた彼の物語は、大きな気概を与えてくれた。和算の歴史や天文暦学者の人生に興味のある方に薦めたい本である。

・ぼやき
 所々、話の中で関孝和が描かれているが、彼の生涯を知ると、渋川春海が作り出した”貞享暦”に不満を抱いてしまい、何とも言えない気分になってしまう。決して、渋川春海が悪いという意味ではないのだが。。