LIFE ACADEMIC

NOVEL

アルケミスト

半飼いの少年サンチャゴは、その夜もまた同じ夢を見た。一週間前にも見た、ピラミッドに宝物が隠されているという夢。少年は夢を信じ、飼っていた羊たちを売り、ひとりエジプトに向かって旅にでる。アンダルシアの平原を出て、砂漠を越え、不思議な老人や錬金術師の導きと、さまざまな出会いと別れをとおし、少年は人生の知恵を学んでいく。(著者:パウロ・コエーリョ)


 全世界で81カ国語に翻訳され、8500万部の売り上げを誇っているアルケミスト。その内容は、宝物の夢を見た少年が、その夢を追いかけ旅に出るという物語だ。話の中では「前兆」「心の声」「大いなる魂」といったスピリチュアルめいた言葉が数多く登場するが、それは、夢を追う勇気を持った者だけに現れる兆しである。こうしたストーリーに対し「前兆や運命など、ただの偶然に過ぎない」と考える方もいるかもしれない。しかし、人生を理路整然と割り切るより、そうした神秘的な要素を自身のエネルギーに変え、それを励みに夢を追究し続ける人生の方が遥に実りがあると思う。そして、そんな夢追う者の人生はいずれ運命となってやがて宇宙が味方してくれるのである。本書は、単なる自己啓発本といった部類の本でなく、勇気を持って行動する事の大切さも教えてくれた本でもあった。

アルケミストにあった好きなフレーズ
少年は、直感とは、魂が急に宇宙の生命の流れに侵入することだと理解し始めた。そこでは、すべての人の歴史がつながっていて、すべてのことがわかってしまう。そこにすべてが書かれているからだ。