LIFE ACADEMIC

NOVEL

正義の教室

ソクラテス、プラトン、ベンサム、キルケゴール、ニーチェ、ロールズ、フーコーetc。人類誕生から続く「正義」を巡る論争の決着とは?私立高校の生徒会を舞台に、異なる「正義」を持つ3人の女子高生のかけ合いから、「正義」の正体があぶり出される。(著者:飲茶)

 
 本書は、生徒会長である今中正義を中心に、功利主義者である最上千幸、自由主義者であるリバティ・ミユウ・フリーダム、直観主義者の徳川倫理、そして倫理の授業を行う風祭先生を巻き込んで「正義とは何か?」について考えていく。哲学自体をテーマにした小説は珍しいが、話の中でも登場人物の過去に触れた様々な伏線が散りばめられているので、読んでいる者を飽きさせない構成となっている。むしろ、哲学書というより一つの小説といってもいいぐらいである。

 小説というジャンルを通して哲学に触れてみたいと思う方に薦めたい本である。
※ 個人的に最後のオチは、とてもよかったと思いました。