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図解 モチベーション大百科

私たちには意思があり、意思があって動いている。でも、意思じゃないものも私たちを動かしている。私たちを動かしている“モチベーション”とは一体なにか?“モチベーション”の正体を突き止めるべく、スタンフォード大、ハーバード大、コロンビア大、プリンストン大、ペンシルバニア大など数々の一流研究機関でおこなわれた100通りの心理・行動実験を、ビジネスマンにも応用できるよう図解でわかりやすく解説。“モチベーション”をマスターすれば、面倒くさがりな自分も、怠惰な周囲の人たちも、頑固な顧客たちも、どうしてそうするのか? どうしてそうしないのか? 長年の謎が解け、ビジネスで抱える問題の多くが解決するだろう。
(著者:池田貴将)

 著書のタイトルはモチベーション大百科であるが、これについては心理学の本と考えてもらった方が分かりやすいだろう。内容紹介にもあるように、本書では100通りもの心理・行動実験が収録されており、それらの実験はいずれも私たちの日常生活に直結した用例でもある。

ここではその一例として、泥棒洞窟実験を紹介してみたい。

少年たちがAチームとBチームが分かれてキャンプ場で共同生活を行い、一週間後に野球や綱引きなどの競技を商品をかけて行った結果、相手チームを敵視し、罵倒するようになった。ではどうすれば仲良くできるのか?

Aパターン:一緒に楽しいことをする
一緒に映画をみる、一緒に美味しいものを食べる、一緒に花火大会をする
→かえって対立が激しくなった

Bパターン:一緒に共同作業をする
ぬかるみにはまったトラックを救出する、水道管の破損箇所を探す、飲料水のタンクを修理するなど
→相手チームへの好意が急激に高まった


この結果から、一緒に楽しいことをするよりも協力が必要な場面を共有した方が信頼関係が芽生えやすく、それは”困難な課題”を与えられた事により、共通の敵(目標)ができた為としている。しかしその一方で、お互いの距離を縮めるチャンスがないと「共通の敵」を作ろうという意識が働き、陰口やいじめが起こる可能性がある事についても指摘している。

 この他にも、先に提示された性質は後で提示された性質(印象、情報)は後で提示された性質を包括するほど強い意味を持つとする”初頭効果”、小さな行動を起こすことによって新しいアイデンティティを作らせる”段階的要請”など、目標設定のモデルケースから人脈作りのモデルケースまで幅広く取り上げている。

心理学に興味のある方、または心理学を日常生活、ビジネスで活用してみたい方におすすめしたい本です。