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1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養 365

 1日1ページ5分読むだけで1年後、世界基準の知性が身につく! (月)歴史・(火)文学・(水)芸術・(木)科学・(金)音楽・(土)哲学・(日)宗教の7分野から、頭脳を刺激し、教養を高める知識を365日分収録! すべての知的好奇心の探究者へおくる本。(著者:デイヴィッド・S・キダー、ノア・D・オッペンハイム 翻訳:小林朋則)

    内容紹介にもある通り、本書は教養を高めるための語句の解説がズラッと365日分書いてあり、そのワードは黄金比・失楽園・虹・ヘーゲルといった、一度はどこかで聞いたことがある、だけど説明はできない…といったような教養として身につけるべき幅広い分野の語句を詳細に解説している。

    例えばその例として、 月曜日の歴史では「ハンムラビ法典」を挙げているが、解説を始める前に以下のような序文でその語句についての概要を述べている。

    ハンムラビは、現在のイラクにあった古代文明バビロニアの王である。紀元前1792年から前1750年まで君臨し、対立する諸民族を征服したが、彼が何より有名なのは、史上はじめて法律を制定した人物だからだ。治世の終わり近くにハンムラビは、現存する史上最古級の成文法を発布し、国民が守るべき規則と、法を破った者が受ける罰を明確にした。ハンムラビの時代、ほとんどの社会は独裁的な支配者が好き勝手に支配していたため、法律がすべての人に適用されるという発想自体が、前代未聞の新機軸だった。

    その後、序文を受けて下記のような解説をしている。

    (略)ただし、法典そのものは現代の感覚から見ると非常に残酷だった。ハンムラビは、些細な法律違反でさえも死刑と定めていた。居酒屋に入った女、逃亡奴隷をかくまった者、「正当な理由」なく夫の元を去った妻は、すべて死刑の対象だった。さらに、この太古の法典は、古代社会の迷信も反映していた。バビロニア人どうしの争いについて、ハンムラビ法典は被告に川へ飛び込めと命じている。もし有罪なら溺死する。だが無実なら「無事に逃れ」、原告は虚偽の告発をしたかどで死刑に処すと決められていた。
    (略)碑文でハンムラビは、「将来の全世代の人々」にこの法律を順守するよう命じ、「私が与えた国法を変える」ことを禁じている。また、将来の王たちは一時の感情に従って統治するのではなく、法の支配を守らなくてはならないとも述べている。国民を支配する法律を為政者が勝手に変えてはならないという考えは、革命的な発想だった。(略)

    内容は若干西洋寄りになっているものの、知識を深めるには十分お勧めできる図書なので、世界の教養を高めたい方は是非読んでみてはいかがだろうか?(葛飾北斎が紹介されていたのには驚いた!)。