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2019.10.27
夢で見たあの子のために
幼少期に家族を惨殺された中條千里は、ただ復讐を果たすためだけに生きている。生活の全て、学校の全て、復讐という目的を果たすのに必要な力とお金を得るため、自分が汚れるのも厭わない。人生の全てを懸けた復讐劇の先にあるものは、果たして千里に何をもたらすのだろうか?(作者:三部けい) 夢で見たあの子のために
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2019.10.24
わたしを離さないで
優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設ヘールシャムの親友トミーやルースも提供者だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度…。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく―全読書人の魂を揺さぶる、ブッカー賞作家の新たなる代表作。(著者:カズオ・イシグロ) 本作は、臓器提供をする為にクローン人間として生まれ、その生涯を終える者たちの物語。この本の著者であるカズオ・イシグロ氏と言えば、2017年にノーベル文学賞を受賞し、さらに”日の名残り”でブッカー賞を…
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2019.10.09
FACTFULNESS(ファクトフルネス)
ここ数十年間、わたしは何千もの人々に、貧困、人口、教育、エネルギーなど世界にまつわる数多くの質問をしてきた医学生、大学教授、科学者、企業の役員、ジャーナリスト、政治家―ほとんどみんなが間違えた。みんなが同じ勘違いをしている。本書は、事実に基づく世界の見方を教え、とんでもない勘違いを観察し、学んだことをまとめた一冊だ。(著者:ハンス・ロスリング , オーラ・ロスリング , アンナ・ロスリング・ロンランド, 訳:上杉 周作 , 関 美和) 本書タイトルのFACTFULNESS(ファクトフルネス)とは、”データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣”を意味している。そして、まずは世界の基本的な事実を…
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2019.10.02
マチネの終わりに
天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り逢う日はやってくるのか――。出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。スランプに陥りもがく蒔野。人知れず体の不調に苦しむ洋子。やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまうが……。芥川賞作家が贈る、至高の恋愛小説。(著者:平野 啓一郎) 「『マチネの終わりに』という小説はどんな作品か?」と言われたら、おそらく私は「大人の恋愛を描いた小説」と答えるだろう。しかし、一概にこの小説をただの恋愛小説と表現する事はできないと感じる…
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2019.09.25
一九八四年
〈ビッグ・ブラザー〉率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。しかし彼は、以前より完璧な屈従を強いる体制に不満を抱いていた。ある時、奔放な美女ジュリアと出会ったことを契機に、伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるが……。(著者:ジョージ・オーウェル、 訳: 高橋和久) 一九八四年は、ディストピアを描いた作品。国の最高指導者とされる人物・ビッグブラザーのもと、”テレスクリーン”と呼ばれる監視装置で国民の生活や行動を党がすべて統制した社会を描いている。 ”戦争は平和なり 自由は隷従なり 無知は力…
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2019.09.18
保育園義務教育化
もし保育園が義務教育になったら…? 『もしも保育園が義務教育化されたなら…』子供の学力は向上し、児童虐待は減少し、景気も向上? もう世界では始まっている!!社会学者・古市憲寿が提言する、母や子供、日本を救う少子化対策!(著者:古市憲寿) 国立社会保障・人口問題研究所の予測によると、日本の総人口と少子高齢化率は2050年に約9500万人、15歳未満の割合が8.5%、そして65歳以上の高齢者の割合は何と40%と予測されている。こうした状況もあるせいか、日本では、2019年10月から幼児教育の無償化が始まり、少子化問題に歯止めをかけようとする姿が見受けられる。しかし、本書を書いた古市さんは、そうし…
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2019.09.10
ドグラ・マグラ
精神医学の未開の領域に挑んで、久作一流のドグマをほしいままに駆使しながら、遺伝と夢中遊行病、唯物化学と精神科学の対峙、ライバル学者の闘争、千年前の伝承など、あまりにもりだくさんの趣向で、かえって読者を五里霧中に導いてしまう。それがこの大作の奇妙な魅力であって、千人が読めば千人ほどの感興が湧くにちがいない。探偵小説の枠を無視した空前絶後の奇想小説。(著者:夢野 久作 ) ドグラ・マグラは、日本3大奇書(『ドグラ・マグラ』『黒死館殺人事件』『虚無への供物』)の一つに数えられ、「読めば精神に異常を来たす」と言われる作品である。確かに読んでみると、その内容は奇書と呼ばれるほど不可解かつ凄みがあり、「…
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2019.08.25
できそこないの男たち
<生命の基本仕様>—-それは女である。本来、すべての生物はまずメスとして発生する。メスは太くて強い縦糸であり、オスは、メスの系譜を時々橋渡しし、細い横糸の役割を果たす「使い走り」に過ぎない—-。分子生物学が明らかにした、男を男たらしめる「秘密の鍵」。SRY遺伝子の発見をめぐる、研究者たちの白熱したレースと駆け引きの息吹を伝えながら≪女と男≫の≪本当の関係≫に迫る、あざやかな考察。(著者:福岡伸一) 先日、近くの図書館を歩いていると、子連れの夫婦が図書館から出てきて、お父さんが子供に向かって「こっちの道から帰るよ」と声をかけていた。ただ、お母さんは別の道から帰りたかった…
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2019.08.19
哲学的な何か、あと科学とか
哲学というものは、実生活において、まったく役に立ちません。 いや、それどころか邪魔になるとすら言ってもいいでしょう。 では、なぜ、哲学をするのでしょうか? それは単純に、哲学が面白いからです。 では、なぜ、みんなは(あなたは)哲学をしないのでしょうか? それは単純に、哲学の面白さを知らないからです。 私は、哲学の面白さを伝えたくてこの本を書きました。(著者:飲茶) 本書は、「哲学的な何か、あと数学とか」の姉妹編となり、哲学と科学を題材にした本である。「哲学的な何か、あと数学とか」では、数学界最大の難問と名高い”フェルマーの最終定理”を扱い、フェルマー予想が証明されるまでの経緯、そしてその意義…
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2019.08.11
モノ・サピエンス
臓器売買、代理母…ヒトは「パンツをはいたモノ」になり、やがて「使い捨て」られるのか?人間のモノ化(物質化・単一化)、「モノ・サピエンス化」がはじまったのは、広義にとらえれば人類の誕生とともに、少し限定すれば近代以降と考えられる。本書では、それをポストモダンの時代以降と想定。一九七〇年代から八〇年代にかけて、ポストモダンは世界的に大流行したが、この時代に「モノ・サピエンス化」が本格的にはじまったとする。さらにこの傾向に拍車がかかったのは、なんといっても九〇年代から。本書のテーマは「九〇年代以降の人間の状況」であり、このテーマに、さまざまな現象を通して迫っていく。(著者:岡本 裕一朗) モノ・サ…