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2019.12.19
里海資本論
里海=人が手を加えることで海を健康にし、豊かにするメカニズム。瀬戸内海の再生で世界から注目されている。地球の限界を救うモデルとして、瀬戸内海生まれ日本発の概念が、世界経済を今まさに変えようとしている!(著者:井上 恭介, NHK「里海」取材班) 突然だが、「里海」という言葉を聞いた事があるだろうか。里海とは、”人手が加わることによって生物多様性と生産性が高くなった沿岸海域”という意味であり、この用語は既に学術用語として確立されている。そして、そんな”里海”にある資源を数ある有用な資源として活用していく為の考え方が”里海資本”と呼ばれるものだ。 里海資本では、自然と対話し、適切に手を加えて、…
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2019.11.21
ヤバイ経済学
アメリカに経済学ブームを巻き起こし、170万部のベストセラーとなった話題の書。若手経済学者のホープが、日常生活から裏社会まで、ユニークな分析で通念をひっくり返します。犯罪と中絶合法化論争のその後や、犬のウンコ、臓器売買、脱税など、もっとヤバい話題を追加した増補改訂版。(著者:スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー, 望月衛) 本書は、身近にある疑問をデータ分析によって解き明かした本となる。その内容は、例えば、相撲界に八百長はあるのか、プールと銃どちらが危ないか、インチキな先生を見分ける方法はあるのか、といったものだ。 中でも、アメリカで犯罪者が減少した大きな理由に”ロー対…
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2019.11.05
幼児教育の経済学
なぜ幼少期に積極的に教育すべきなのか?幼少期に適切な働きかけがないと、どうなるのか?早い時期からの教育で、人生がどう変わるのか?ノーベル賞学者が40年にわたって追跡調査。脳科学との融合でたどりついた衝撃の真実! ・5歳までの教育は、学力だけでなく健康にも影響する・6歳時点の親の所得で学力に差がついている・ふれあいが足りないと子の脳は萎縮する 子供の人生を豊かにし、効率性と公平性を同時に達成できる教育を、経済学の世界的権威が徹底的に議論する。(Amazon内容紹介) 子供への教育投資はいつがよいのだろうか? その答えに対し、著者であるジェームズ・J・ヘックマン氏は「幼少期こそ、積極的に教育投…
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2019.10.29
奇跡の村 地方は「人」で再生する
少子高齢化と人口減少により「地方消滅」が叫ばれて久しい。そんな中、長野県下伊那郡下條村は、全国の自治体関係者から「奇跡の村」と呼ばれている。少子化対策に目覚ましい成果をあげてきたからだ。「陸の孤島」と揶揄される人口約四〇〇〇人の山村が、一九九八〜二〇〇二年の五年間平均出生率で長野県トップを記録。現在でも、全国平均一・四三人を上回る一・八八人(二〇一三年)と、トップクラスの高い出生率を誇る。その秘密はどこにあるのか?この下條村を中心に、独自の移住促進策で「消滅論」に抗う各地の山村を取材。この先の社会に光を点す、希望のルポルタージュである。(著者:相川 俊英) 国立社会保障・人口問題研究所の予測…
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2019.09.18
保育園義務教育化
もし保育園が義務教育になったら…? 『もしも保育園が義務教育化されたなら…』子供の学力は向上し、児童虐待は減少し、景気も向上? もう世界では始まっている!!社会学者・古市憲寿が提言する、母や子供、日本を救う少子化対策!(著者:古市憲寿) 国立社会保障・人口問題研究所の予測によると、日本の総人口と少子高齢化率は2050年に約9500万人、15歳未満の割合が8.5%、そして65歳以上の高齢者の割合は何と40%と予測されている。こうした状況もあるせいか、日本では、2019年10月から幼児教育の無償化が始まり、少子化問題に歯止めをかけようとする姿が見受けられる。しかし、本書を書いた古市さんは、そうし…
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2019.08.25
できそこないの男たち
<生命の基本仕様>—-それは女である。本来、すべての生物はまずメスとして発生する。メスは太くて強い縦糸であり、オスは、メスの系譜を時々橋渡しし、細い横糸の役割を果たす「使い走り」に過ぎない—-。分子生物学が明らかにした、男を男たらしめる「秘密の鍵」。SRY遺伝子の発見をめぐる、研究者たちの白熱したレースと駆け引きの息吹を伝えながら≪女と男≫の≪本当の関係≫に迫る、あざやかな考察。(著者:福岡伸一) 先日、近くの図書館を歩いていると、子連れの夫婦が図書館から出てきて、お父さんが子供に向かって「こっちの道から帰るよ」と声をかけていた。ただ、お母さんは別の道から帰りたかった…
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2019.08.19
哲学的な何か、あと科学とか
哲学というものは、実生活において、まったく役に立ちません。 いや、それどころか邪魔になるとすら言ってもいいでしょう。 では、なぜ、哲学をするのでしょうか? それは単純に、哲学が面白いからです。 では、なぜ、みんなは(あなたは)哲学をしないのでしょうか? それは単純に、哲学の面白さを知らないからです。 私は、哲学の面白さを伝えたくてこの本を書きました。(著者:飲茶) 本書は、「哲学的な何か、あと数学とか」の姉妹編となり、哲学と科学を題材にした本である。「哲学的な何か、あと数学とか」では、数学界最大の難問と名高い”フェルマーの最終定理”を扱い、フェルマー予想が証明されるまでの経緯、そしてその意義…
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2019.08.11
モノ・サピエンス
臓器売買、代理母…ヒトは「パンツをはいたモノ」になり、やがて「使い捨て」られるのか?人間のモノ化(物質化・単一化)、「モノ・サピエンス化」がはじまったのは、広義にとらえれば人類の誕生とともに、少し限定すれば近代以降と考えられる。本書では、それをポストモダンの時代以降と想定。一九七〇年代から八〇年代にかけて、ポストモダンは世界的に大流行したが、この時代に「モノ・サピエンス化」が本格的にはじまったとする。さらにこの傾向に拍車がかかったのは、なんといっても九〇年代から。本書のテーマは「九〇年代以降の人間の状況」であり、このテーマに、さまざまな現象を通して迫っていく。(著者:岡本 裕一朗) モノ・サ…
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2019.07.20
先生はえらい
「誰もが尊敬できる先生」なんて存在しないし、昔からいなかった。あなたが「えらい」と思った人、それが「あなたの先生」なのだ。さまざまな例を引きながら、学ぶことの愉しさを伝授し、素晴らしい先生との出会いを可能にさせてくれる、常識やぶりの教育論。誰もが幸福になれる悦びの一冊。(著者:内田樹) 「先生はえらい」というタイトルを見た時、なんとまあ説教くさいタイトルなんだ…と思ったが、試しに読んでみると思いの他面白かった。 まず、著者の中での先生の定義はこうだ。 先生というのは、出会う以前であれば「偶然」と思えた出会いが、出会った後になったら「運命的必然」としか思えなくなるような人のこと これだけだ…
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2019.07.08
「死」とは何か
イェール大学で23年連続の人気講義が、ついに日本上陸!――人は必ず死ぬ。だからこそ、どう生きるべきか――なぜ、余命宣告をされた学生は、最後に“命をかけて”、この講義を受けたのか!?死を通すことでますます「生」が輝きを増す、世界的名著!(著者:シェリー・ケーガン, 翻訳:柴田裕之) 死とは何か…その内容はまさに期待に違わず「ザ・死とは何か?」である。さて、それは置いとき、各テーマでは、不死は幸せか・死ぬならいつがよいか・死はどうして悪いのか、など私たちが普段(おそらく)ぼんやりと考えている「死」に対しての疑問を明快かつ論理的に述べている。 中でも印象的だった箇所が2つある。 一つは、「人生…